【EA開発ガイド】Part 1 EA開発概論 – Chapter 4 EAで期待できる収益はどのくらいか

一般にFXへの期待値が大きすぎるような気がする。EA開発の前にどの程度の利益が期待できるか説明したい。結論を言うと年利10%いけばいい方だろう。100万円投資して年に10万の利益である。EA開発のはじめの目標としては安定して年利10%がいいだろう。大きなプラスを出すよりもいかにマイナスを出さないか。国債や銀行金利に比べればありえないくらい良い。とにかくFXに過剰な期待をしない方がいい。

注意事項

本記事はFXの自動売買について紹介していますが内容を保証するものではありません。金銭にかかわる内容であるためご注意ください。参考にする場合は自己責任でお願いします。

前提知識

FX(外国為替証拠金取引)の初歩的な知識が必要となります。簡単なFXの入門書程度の知識があれば問題ありません。

FXについて全く知識がない方へのおすすめ書籍。超初心者向けの書籍で知識ゼロの人でも読みやすい。ただし、入門書なのでFX初心者以外にはおすすめできない。

こちらは中級者向けの内容でFXの難しさについて解説している。

期待できるPF

EA(エキスパートアドバイザー)自動売買システムに期待できるPF(プロフィットファクター)とはどの程度だろうか。

PFとは

PF(プロフィットファクター)とは利益を損失で割った値。テスト期間中の利益が10万円で損失が5万円の場合は10÷5でPFは2.0になる。ようするに1以上であればプラスということ。

適当に作ったら1を割る

PFは高ければ高い方がいいのだがそう上手くはいかない。勝てそうな手法を実装してバックテストするとだいたいPFは1以下になる。スプレッドがある分勝ち負けの確率は50%以下。スプレッドの影響を受けない長い時間足でのトレードであればほぼ5割に近い。それなのに実装するEAははじめ1を割ることが多い。

調整しても限界あり

10年間のバックテストをした場合どんなに調整してもPF1.3が限界。テスト期間が2、3年と短ければPFを上げることができるが、長期間のバックテストだと限界あり。

筆者の感覚では10年バックテストをした場合のPFの目安は1.1~1.4くらいだと思っている。

期待できる損益

銀行預金金利を考えるとFXでは年利10%もあれば良い方だろう。年単位でのマイナスを考えるとこれくらい利益はほしい。

バックテストでの期待値

0.1ロット(1万通貨)で年間5万円がいいところ。1万通貨であれば約5万円で打てるので年利100%となる。最大ドローダウンを考えると10万円で5万の利益、年利50%。100万円をベットして50万円の利益があればいい。損益の波を考えると1~9万円。年利で10~90%。

現実的な期待値

バックテストはフォワードテストに比べ悪くなる傾向がある。リアルトレードはバックテストの3割減と思った方がいいだろう。年利で考えると7~63%。100万円ベットして10万円稼げればいいと思う。

【EA開発ガイド】Part 9 フォワードテスト検証 – 2021年7月27日 スプレッドとスリッページでフォワードテストの成績が悪くなる可能性あり

理想と現実

国債の金利は1%以下、もちろん銀行預金も金利1%以下。こんな状況でFXで年利10%も本当にだせるだろうか?国債や銀行金利のメリットはマイナスがないこと。FXのデメリットはマイナスが発生すること。

運用 メリット デメリット
国債、銀行定期預金 ・マイナスにならない ・最大でも金利が1%以下
FX ・利回りが1%を大きく上回る可能性が高い ・マイナスの可能性あり(元本割れ)

銀行の金利を考えると安定して年利10%だせればいい方だろう。

まとめ

はじめはFXで簡単に資産を何倍にも増やせるなんて思っていたが甘かった。自分の手法をバックテストしてそこまで利益がでないとはっきりと分かった。バックテスト、フォワードテスト、それぞれ検証して年利10%行けばいいほうかなと。9割が負けると言われるFXでマイナスがでないこと自体奇跡と思えば好成績ではないだろうか。

ポイント
  • 国債、銀行定期預金の金利は1%以下
  • FXの利回りは10%以上だが年単位でマイナスの可能性あり
  • FXで期待できる利益は安定して年利10%

FXでは安定して年利10%を出せればいい方だと思います。

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