EAは自作以外に購入するという選択肢もあるが基本的に筆者は「自分で開発」することをおすすめする。なぜかというともし安定的に利益の出せるEAがあるとしたら販売する必要がないからだ。確実にお金が増やせるのであれば全財産ぶっこめばいい。大きく負ける可能性があるからそのリスクを取らずにEAの販売益を狙う。EAがどの程度のリスクがあるのか本当のところは作成者にしかわからない。EA販売サイトのレビューを見ればどの程度のリスクがあるか理解できるだろう。EAは自分で作るのがコスパがよく安全なのだ。
本記事はFXの自動売買について紹介していますが内容を保証するものではありません。金銭にかかわる内容であるためご注意ください。参考にする場合は自己責任でお願いします。
FX(外国為替証拠金取引)の初歩的な知識が必要となります。簡単なFXの入門書程度の知識があれば問題ありません。
FXについて全く知識がない方へのおすすめ書籍。超初心者向けの書籍で知識ゼロの人でも読みやすい。ただし、入門書なのでFX初心者以外にはおすすめできない。
こちらは中級者向けの内容でFXの難しさについて解説している。
安定して儲かるEAなら販売せず自分で運用する
見出しの通り安定して本当に利益が出せるEAがあるとしたら販売してわざわざ自身のポジションをさらす必要はない。
【EA開発ガイド】Part 1 EA開発概論 – Chapter 11 儲かるEAを作ったら絶対に売らない
リスクを取りたくないから販売する
EAを運用せずに販売する最大のメリットは「マイナスが発生しない」である。どんなEAであっても資産を減らす可能性があるがEA販売であれば基本的にマイナスになることはない。厳密には売れない場合開発費がマイナスになるが資産を減らすようなことは発生しない。しかもEAは電子データなのでコストなしで複製できる。
レビュー評価が怪しい
EA販売サイトのレビュー評価を鵜呑みにするわけではないが「高性能」をうたうEAであっても資産を飛ばしたなどのコメントが多く見つかる。運用方法が悪かったのかもしれないがそんな簡単に資産が飛ぶなどありえないと思う。
バックテストの偽装
EAのレビューを見ていると提示されているバックテスト結果を異なるなどのコメントが目立つ。負けトレードをリジェクトすれば簡単にバックテスト結果を偽装できるのでその可能性もある。バックテストを偽装して売り逃げるEA販売者もいるのではないだろうか。
【EA開発ガイド】 Part 6 バックテスト実践 – Chapter 7 詐欺EAの作り方
EA自作はメリットしかない
EAを購入する資金があるならプログラムの入門書を買った方がいい。
自身の裁量を定量的に検証
自分でEAが作れるようになったら裁量でのエントリーポイントを長期間にわたり検証することができる。裁量取引の時にチェックしているポイントをプログラムに落とし込みバックテストすれば過去どの程度の利益を出せたのか確認できる。10年間の検証も5分以内で終わる。目視や気合でやっていた検証作業が不要になるのだ。
経験とノウハウの積み上げ
裁量取引を長くやっていれば「危ない場所」や「確度の高い場所」がチャートの雰囲気でわかるようになってくる。しかし、これは定性的なノウハウで資産として積み上げ難い。一方EAであれば自身のノウハウをプログラムに落とし込み期待値などを数値化できるため定量的に判断できる。裁量のノウハウとことなりEAを作成すれば見える形として資産が残せる。多くの条件のEAを実装し検証結果を管理すればそれは資産となる。
好きなだけ無料でEAを作れる
筆者は3条件くらのEAであれば4時間くらいで実装することができる。プログラミング経験があるからかもしれないがキレのある若い方であればもっと早く出来るだろう。販売価格が数万円のEAも慣れてくれば2、3日で実装可能だと筆者は考える。一度EAの作成方法さえ覚えてしまえば人件費をのぞき無料でいくらでも作れるようになる。筆者はすでに14本くらいEAを作ったが作れば作るほど開発スピードが上がってくる。
EA開発の敷居は低い
筆者は仕事で「マルチスレッド」や「同期」など比較的難しいプログラムの設計や実装をしてきたが、それに比べるとEA開発は「かなり簡単」だと言える。AIシステムの性能チューニングなども難しく頭を悩ませたがEA性能面でもそこまでシビアではない。プログラミングに対する「苦手意識」さえなければ簡単に習得できると思う。
EAのリスクを知ることができる
自信で作ったEAをバックテストすることでリスクを知ることができる。EAを作ってみればわかると思うが安定して大きな利益が出せるようなものは簡単に作れないしありえない。安定して利益の出せるEA作成がどれほど難しいかEAを作ることで実感できる。この現実を知っておくと「公開されているバックテスト結果」が怪しいということに気付くようになる。ありえない収益グラフやPFが偽装であることがわかるようになる。ようするに作り手になればEAの目利きにもなれるということ。
まとめ
EAを作成するようになってからバックテストの収益グラフとPFなどの結果がどの程度なら信頼できるかわかるようになってきた。10年くらいバックテストをやると相性の悪い年がだいたい2、3年くらいあり、そこで大きな損失を出すことがある。なので現実としては10年のバックテストでマイナスの年がないEAは怪しいと思った方がいい。ただし取引数が少なすぎる場合はその限りではない。めちゃくちゃ固いところに絞って取引するEAであれば年間マイナス無しで高いPFを出せる可能性があるが取引数が少なすぎ運用しづらい。正しく損切りされてないEAはグラフが右肩上がりの直線になる傾向があり見えない大きなリスクが隠れている。
慣れてくればEAを1日1本くらい作れるようになる。以前「絶対勝てる」とうたっていた手法は3条件で半日くらいで実装できた。実際はプログラムを組むよりもプログラムが思い通り正しく動作しているか確認する作業の方が長い。プログラム自体は1時間もあれば終わるが動作検証は倍の3時間はかかる。それでも慣れればここまで簡単に手法をEAに落とし込むことができる。まとまりに欠けるが、筆者は「EAは思ったよりも簡単に作れるし作れることで大きなメリットがありFXをやるなら絶対に覚えておいた方がいい」と言うことを伝えたかったのである。
【EA開発ガイド】 Part 6 バックテスト実践 – Chapter 6 Twitterなどで紹介されている手法を検証する
- 販売されてるEAの安定稼働は基本的に期待できない
- EAを作成できれば検証結果などを資産として積み上げられる
- EA開発の敷居は低く自作はメリットしかない
まずは思い切ってはじめてみるのがいいと思います。