【EA開発ガイド】Part 1 EA開発概論 – Chapter 7 裁量取引の感覚をプログラムで実装する

押目をEAで実装しようとしたらえらく大変だった。価格の切り上げや押目の判定など目視なら簡単に判断できるものがシステムで実装するとなると簡単にはいかない。

注意事項

本記事はFXの自動売買について紹介していますが内容を保証するものではありません。金銭にかかわる内容であるためご注意ください。参考にする場合は自己責任でお願いします。

裁量取引の感覚をプログラムに落とし込めるか

あいまいな裁量の感覚をEAに実装できるがそれは想像以上に難しい。

裁量でのエントリーポイントの見つけ方

以下は1分足チャートの抜粋。裁量取引する場合エントリーチャンスをどう見つけるのだろうか?

順張りで超ザックリ考えるとスキャルピング(短期取引)で2回くらいチャンスが見つかりそう。ただ上位脚の方向感や他の水平線の影響を考慮していないのでザックリレベルの分析。チャート左側のじわーっと下がる部分と右側のスッと上がる部分の二か所が人が見た場合目につくところ。

裁量のエントリー基準は複雑であいまいなことが多い

裁量であればその日一日のチャートの流れを見て大きな特徴が無いか確認。さらには上位足でその日の方向感。日足で大きな流れを確認する。スキャルピングの場合は5分足くらいまででいいだろうか。裁量の場合は俯瞰した状態からポイントを確認し影響の有無を「何となく」判断できる。しかし、EAの場合はその「何となく」を定性的なものから定量的にして厳密なルールを明確化しなくてはならない。

例えば順張りの買いで入りたい場合EAに対してどこからどの範囲をどうやって確認するかこと細かく決めなくてはならない。裁量で何となくやっていた「ここからここが上昇トレントでここからここが下降トレンド」みたいなことを事細かく決めなくてはならない。そもそも何をもってトレンドとするのか?連続の切り上げや切り下げ?MAに沿ったロウソクの移動?裁量で何気なくやっていたことがプログラムに落とし込むとなるとかなり厄介。

人の考えをシステムに落とし込む

人が何となく考えてやっていた事をコンピューターにやらせるシステムを「人工知能」と呼ぶ。人工知能と言うとなんか小難しく聞こえるかもしれないが人間の考えをコンピューターに真似させるだけのこと。何か人と同じようにAI(人工知能)なら柔軟な発想ができるのではと思うかもしれないが実際は違う。柔軟な発想をするようにシステムを組まなくてはいけない。自己発展するような夢のようなシステムではなく超泥臭いコテコテの仕組みなのである。機械学習と言っても学習する基盤をシステムとしてがっつり実装しなくてはならない。

人工知能の入門書としてはおすすめ。読みやすくアウトラインが理解できる。

EAはAI開発なのか

ざっくり言うとAIは人間の考え方をシステムに実行させること。ひとの考え方は複雑でコンピューターに同じことをさせるのは非常に難しい。EAも人の考え(裁量取引時の考え)をシステムに落とし込むものなのでAI開発といってもいいだろう。裁量のルールをプログラミングに落とし込もうとしたときにどれだけ今まであいまいだったのかよくわかる。例えば高値といっても「どの程度の期間」、「どの時間足」、「実体化かヒゲか」などすべての定量的な数値で定義しなくてはならない。

ビッグデータと過去検証

データマイニングとはビッグデータから何かしらの特徴をみつけること。有名な例だと販売データから「ビールケース」と「紙おむつ」は同時に買われることが多いことを見つけ、ビールケースと紙おむつの販売場所を近くにして売り上げを伸ばすなど。方法としてはFXの過去検証と非常に近い。過去チャートから何かしらの傾向を見つけ出す過去検証も同じ。この傾向をつかむアルゴリズムがAIと言うわけである。

まとめ

EAの開発をはじめてAIシステムの考えに非常に近いと思えた。FXの過去検証はデータマイニングとほぼ同じようなもの。SE時代の経験がそのまま生きそうな感じだ。

ポイント
  • EAはトレーダーの考えをシステムに落とし込むのでAI開発に近い
  • 人の考えはあいまいでシステムに落とし込むのは難しい
  • システムはすべての手続きを数値的に定義しなくてはならない

裁量で使っていたエントリーポイントをプログラムにするのは非常に難しいです。

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