EAを開発する前に裁量取引での経験がある程度必要。可能であれば月収支で大きなマイナスがでないレベルまで行けていればよい。本セクションは裁量取引経験のある方はスルーしていただいて構わない。エントリーポイントの目処が立たないとEAの設計が出来ない。利益の出やすいエントリーポイントを見極められるようになるまではじっくりと練習しよう。
本記事はFXの自動売買について紹介していますが内容を保証するものではありません。金銭にかかわる内容であるためご注意ください。参考にする場合は自己責任でお願いします。
FX(外国為替証拠金取引)の初歩的な知識が必要となります。簡単なFXの入門書程度の知識があれば問題ありません。
FXについて全く知識がない方へのおすすめ書籍。超初心者向けの書籍で知識ゼロの人でも読みやすい。ただし、入門書なのでFX初心者以外にはおすすめできない。
こちらは中級者向けの内容でFXの難しさについて解説している。
裁量取引での実践練習
FX経験が豊富な方はスルーしてOKである。FXに不慣れな場合は裁量取引(手動でエントリーと決済をする)の練習をする。EA(自動売買システム)では裁量取引をプログラミングに落とし込み設計するので、基礎となる裁量での取引ルールがないと作れない。インジケーターのクセやどの程度効果があるかなど肌感覚で知っておきたい。裁量取引をEA実装すると10年以上のバックテストが一瞬にして終わる。これは手動検証では不可能。
インジケーター
インジケーターとはチャート上に売買をサポートする情報を表示するツールである。トレンド系と呼ばれる売り買いの方向を確認するためのものと、オシレーターと呼ばれる売り買いが過剰になったタイミングを確認するもがある。詳しい使い方はFXの入門書にだいたい書いてあるのでそちらを参照していただきたい。
系統 | 種類 |
---|---|
トレンド系 | ・移動平均性 ・ボリンジャーバンド etc… |
オシレーター系 | ・RSI ・ストキャスティクス etc… |
その他 | ・ATR etc… |
インジケーターは目視で確認するだけでなくEA(自動売買)でも利用することができる。例えば「ロウソク足の終値が移動平均線(期間100日)の上に30分以上ある」など。一般的に言われているゴールデンクロスなどの売買サインもEAとして実装することが可能。単純な使い方でどの程度の勝率や利益になるかもEAで実装すれば10年以上の過去データ検証も簡単にできる。
インジケーター単体ではほとんど効果は無いが組み合わせることで効いてくることがある。自身のトレードで効果のあるインジケーターを見つけるのは難しいがロウソク足だけより可能性は高まる。特に順張りで方向感を確認するトレンド系は使いやすい。
可能であれば入門書に書かれた定番の使い方を試してインジケーターの雰囲気を理解しておきたい。
スプレッド
スプレッドの広がるポイントについても理解しておきたい。EAを実装するときにどの程度のスプレッドを許容するかにも関わってくる。短期トレードの場合はこのスプレッドがかなり負担になってくる。デイやスイングトレードの場合はスプレッドが多少大きくても影響が少ない。
日本市場スタートの日本時間9時や仲値決定の9時55分前後など流動性が高まりスプレッドが拡大。米国雇用統計など大きな経済指標ではこれ以上にスプレッドが広がる。スプレッドについても感覚をつかんでおくと良い。
時間帯
時間帯によって流動性が変わるのでこれについても理解しておきたい。EA実装時に時間帯を調整すると成績があがることがある。時間帯を使った分析も有効となる。
以下はOANDAのボラティリティチャート。スキャルピングなどの短期取引であれば日本時間の21~24時くらいがよさそう。
引用:ボラティリティ グラフ(通貨/株式市場別・期間指定) | FX/CFDのOANDA
エントリーポイントの検証
裁量取引での実践はEA開発時の基本設計に必要なエントリーポイントを見つけるために必要。手法をプログラミングに落とし込めるようになれば過去チャート検証が一瞬で終わるようになる。利益のでるエントリーポイントは中々見つからないのである程度成績のよい場所があれば妥協した方がよい。
練習は低ロットで
国内のFX業者であれば1通貨から取引できる業者もあるので練習は最低ロットでする。ちょっと利益が出たからと言ってロットを上げると一瞬で資産が解けるので注意。
【EA開発ガイド】Part 2 EA開発実践 – Chapter 4 FX口座を開設する
目標は資産微増
本番はEAなので裁量取引では月の収支で利益が微増になるくらいで大成功。収支がプラマイゼロでもまだいい方。大きなマイナスが出ないようなら合格と思っていい。最終的にはEAを実装して調整で勝率やPFを上げるのでそこまで裁量で成績を狙う必要はない。
まとめ
EA実装するためにはある程度のエントリーポイントの手がかりが必要なので裁量で経験を積んでおいた方がよい。裁量での経験があった方がEA開発がはかどると思うので可能であればじっくりと取り組むのが無難。はじめは運よくプラスになるかもしれないが間違ってもロットを上げたりしないように。
- 裁量取引の経験がある程度あれば練習の必要はない
- 裁量取引の経験でEA実装に必要なエントリーポイントを見つける
- 資産を大きく減らさず取引できれば合格
EAが本番なので裁量は大きなマイナスが出なければ合格と思っていいです。